国分真央さんの写真と読む物語 |
仕事、結婚、家庭、子育て…、病気を受け入れて家族や周囲の人と共に、自分らしく生きるMS患者さんそれぞれの物語。
「Moments of Smile」で映し出された、MSと共に歩む14名の物語。フォトグラファー国分真央氏が6年にわたり捉えたポートレートと、彼らが語る「今の想い」をインタビューで綴りました。展示会の記録を超え、一人ひとりの人生の彩りや強さに触れるストーリーをぜひご覧ください。
思いっきり泣いたら、前を向く!
自分らしい選択で人生を拓いていきたい
夫の転勤に伴い、国内外さまざまな土地で暮らしてきた清水さん。慣れない環境や、突発的に起こる多発性硬化症の症状に向き合う中で支えにしていたのは、「ちょっとずつ猛進」という言葉。不安を抱えながらも、えいっ!と潔い決断と行動で前へ進もうとする清水さんの姿は、いい意味で肩の力が抜けた、自然体でポジティブなエネルギーに満ちています。
「一人じゃない」。
家族のサポートや当事者コミュニティとの繋がりが
心の支えに
7歳と4歳、育ち盛りの二人のお子さんのお母さんとして、慌ただしい毎日を送るさなえさん。当時、体に違和感を抱きつつもなかなか確定診断まで辿り着けなかった経験から、「いろんな人に聞いてみる・話してみることが大事」だと、改めて実感していると話します。不安やつらい気持ちをシェアするコミュニティづくりにも挑戦するなど、努力家の一面も覗かせてくれました。
一歩踏み出して外の世界とつながれば、
病気にかかわらず素敵な人やコトに出会える
病気にかかわらず素敵な人やコトに出会える病気の発症を機に、それまでの自分の殻をやぶり、人とのコミュニケーションや行動範囲を広げていった和泉さん。自分らしく、心地良くいられる環境を自ら切り拓いていく姿はポジティブさに満ちています。
家族の支えに励まされ模索してきた10年間公務員としてフルタイムで働きながら、家族団らんの時間を思い切り楽しむ、というメリハリのある生活を送っているRINさん。いつか紆余曲折あったこれまでの体験を1冊の本にして、同じように病気で辛い思いをしている人に伝えたいと青写真を描いています。
医療従事者、MS当事者として人の痛みに寄り添いたい場の空気をなごませてくれるような、やわらかな笑顔と口調が印象的な小川純子さん。長年治験コーディネーター(CRC※)として働いてきた経験と、病気を抱える当事者としての体験から、「傍目にはわかりづらい人の痛みに寄り添える人でありたい」と語ります。※CRC(Clinical Research Coordinator)……医療機関、製薬会社、患者さん三者の橋渡し役として、薬の開発試験である治験がスムーズに進行するようにサポートする仕事。
「気にしなくてもいいよ」
夫のひと言が自分を受け入れるきっかけに
仕事をしながら、2歳の男の子の子育てに奮闘中の丹羽聡美さん。おだやかな佇まいの内側には、「多発性硬化症(以下、MS)は私の個性のひとつ」と、辛い気持ちや落ち込むことからも目をそらさず、ありのままの自分と向き合う芯の強さを併せ持っています。
MSへの理解を深め、誰もが働きやすい環境を目指してはつらつとした笑顔で論旨明快に話す姿が印象的な高垣勝さん。難病の人が落ち込んでいると心配されるからと明るく笑っていたいと話します。9歳から大学院まで化学の世界に没頭しながらも、病気の辛い経験を糧に、今新たな夢に向かって一歩ずつ、着実に歩みを進めています。
前を向いて病気と付き合っていく秘訣、
それは自分の拠りどころになる“武器”を持つこと
やわらかな笑顔が印象的な工藤彩さん。多発性硬化症(以下、MS)の治療を続けながらジュエリーショップの店頭に立ち、女性雑誌の読者モデルとしても活躍しています。SNSでは、工藤さんらしい病気との向き合い方を発信。同じ多発性硬化症のフォロワーさんに元気を送っています。
日々の小さなよろこびや優しさに感謝しながら、
MSに向き合っていく
すっと伸びた背筋に帽子とステッキがトレードマークの福冨さんは、多発性硬化症の患者会やコミュニティの頼れるリーダー的存在。自らの症状や経験を元に綴った著書を出版するなど、積極的に啓発活動に取り組んでいます。
好きなことは決してあきらめたくない。
その思いを糧に、病気とともに生きていく
音大を卒業し、結婚、出産後もピアノ奏者として活躍する尾崎さん。多発性硬化症の症状に悩みながらも、お子さんの成長と大好きなピアノに向き合える時間を心の栄養にして、豊かな日々を送っています 。
「病気になったのは、あなたのせいじゃないよ」
と、つらかったときの自分に言ってあげたい。
はじめは、職場でこの病気のことをうまく説明できなくて…。そのときに仲のいい同僚が「再発しないために私たちができることを箇条書きにしてみて。あなたの代わりにみんなに説明するから」と言ってくれたんです。優しい励ましの言葉もありがたいのですが、こんなふうに仕事上の私を支えてくれる言葉もあるんだって、とてもうれしく思ったのを覚えています。
「多発性硬化症」という病気の名前だけでも、
一人でも多くの人に知ってもらいたい。
今は寛解(症状が落ち着いている状態)が続いているのですが、それでも病気と隣り合わせなのは変わらないので、いつ再発するのか不安です。自分のすぐ後ろに「再発」がいる感じです。でも多発性硬化症になって、小さな幸せに気づくようにもなりました。
フォトグラファー。東京都出身。広告、PR、CDジャケット、書籍表紙など、Instagramを中心に幅広く活躍中。Instagram: https://www.instagram.com/mao_kokubu/
MS(多発性硬化症)と向き合う3人の葛藤と希望を描いた、オリジナル映画「そこからの光」。病を受け入れ、自分らしい一歩を踏み出すまでの軌跡を丁寧に映し出しました。今も色褪せない、命と絆の物語を綴っています。