治療の進歩

MSとともに自分らしく生きていきたい。やりたいことを実現したい。そのために、いまの治療選択肢を見つめ直してみませんか。MSは自覚症状のないうちに進行する可能性がある病気。早期から適切な治療を選ぶことが大切です。専門医とともに、あなたの進行状態を把握し治療法について話し合ってみてください。

MS:多発性硬化症(Multiple Sclerosis)の略

 

多発性硬化症の治療は、年々進歩しています

海外の研究によると、2006~2010年に多発性硬化症と診断された患者さんでは、1980~1990年に診断された患者さんにくらべて、杖歩行(EDSSが6.0)になるリスクが46%減少していました。これは、多発性硬化症の診断や治療の進歩によるものと考えられます。

MS患者さんが杖歩行※になるリスクの変化(海外のデータ)

※EDSSが6.0
MS患者さんが杖歩行※になるリスクの変化(海外のデータ)

*1980~1990年にMSと診断された患者96人のデータと2006~2010年にMSと診断された患者327人のデータを比較
対象:再発寛解型MS患者1‚324例
方法:イタリアのMS専門施設における1980~2013年の診療データベースを用いて、MS患者がEDSS6.0に至った年齢と診断年を比較し、診断時期がEDSS6.0に至る年齢に及ぼす影響を評価した。
Capra R et al. Mult Scler. 23(13): 1757(2017)より作図

 

将来の病気の進行を抑えるには、適切なタイミングに、適切な治療をすることが大切です

診断時から治療を始めた場合と、遅れて始めた場合では、その後の障害の程度が異なると考えられています。なるべく早くから治療を始め、定期的に治療の見直しをすることで、将来の病気の進行を抑えることが期待できます。症状がおさまっていても、将来を見据えて早期に治療を始めましょう。

多発性硬化症の治療タイミングと疾患の経過[模式図]

多発性硬化症の治療タイミングと疾患の経過
Ziemssen T. et al., J Neurol. 263(6): 1053(2016)より作成
 

病状や治療の効果を確認するためには、定期的な検査や診察とともに、患者さんからの情報も大切です

病状や治療の効果を判断して、患者さんに合った適切な治療を選ぶには、定期的なMRI検査や診察のほか、患者さんからの情報も重要です。日々の症状や、病気による生活への影響、治療への希望などがあれば、遠慮せずに医師に伝えましょう。

病状や治療効果を確認するための検査・診察

病状や治療効果を確認するための検査・診察
病状や治療効果を確認するための検査・診察
病状や治療効果を確認するための検査・診察
病状や治療効果を確認するための検査・診察